[サンフランシスコ/ベンガルールー 30日 ロイター] – 米配車大手ウーバー・テクノロジーズが30日発表した第1・四半期(3月31日まで)決算は約10億ドルの赤字となった。売上高は20%増となったものの、黒字化に向け大きな課題を抱えていることが浮き彫りとなった。
今回は今月10日の上場以来初めての四半期決算発表。純損益は10億1000万ドル(1株当たり2.26ドル)の損失となった。ウーバーが示していた見通し(10億─11億1000万ドル)とおおむね一致した。グラブとヤンデックスに一部事業を売却した前年同期は37億5000万ドル(同1.84ドル)の純利益を計上していた。
売上高は31億ドル。ウーバーが示していた見通しは30億4000万─31億ドルで、リフィニティブIBESがまとめたアナリスト7人の予想平均は30億4000万ドルだった。
世界的な月間アクティブユーザー数は9300万人と、昨年第4・四半期末の9100万人から増加した。
費用は35%増。株式上場に向け支出を拡大させたことが響いた。グロスブッキング(収入総額)は前年同期比34%増の146億ドル。ブッキングは前四半期から3.4%増で、飽和する市場の中で新たな顧客獲得の難しさが浮き彫りとなった。
決算発表を受け、ウーバーの株価は時間外取引で一時1.6%上昇した。ただこの日の終値は0.35%安の39.80ドル。株価は新規株式公開(IPO)価格の45ドルを約10%下回る水準にある。
アトランティック・エクイティーズのアナリスト、ジェームズ・コードウェル氏は今回の決算について「とりたてて注目すべき点もなかった」とし、「第2・四半期、もしくは通年の業績見通しの公表がなかったのは残念だ」と述べた。
前四半期と比べると売上高は増加したものの、純損失は8億6500万ドルから拡大。それでもネルソン・チャイ最高財務責任者(CFO)は「ウーバーは世界的に市場でのポジションを守るための投資をためらうことはない」とし、投資を継続する姿勢を示した。