1-3月(第1四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は、速報値から下方修正されたものの、市場予想より小幅な修正にとどまった。個人消費と輸出が上方修正され、景気拡大が比較的安定した基盤にあることが示唆された。
キーポイント |
・GDPは前期比年率3.1%増加(速報値3.2%増) ・ブルームバーグがまとめた市場予想中央値は3%増 ・経済の大半を占める個人消費は1.3%増(速報値1.2%増) ・市場予想の1.2%増を上回るも、なお1年ぶりの低い伸び |
背景
- 米国債利回り曲線の一部逆転現象などを背景とした、景気が勢いを失いつつあるとの懸念は今回の統計を受けて和らぐ可能性がある。再選を目指すトランプ大統領を後押しする可能性もある
- ただ、4-6月(第2四半期)の見通し悪化を示唆する最近の経済指標や関税賦課の応酬激化は先行きに影を落としている。今景気拡大は7月に米史上最長となる見込み
詳細
- 変動の大きい貿易と在庫を除く国内最終需要は1.5%増ー速報値の1.4%増から上方修正されたものの、2015年以来の低い伸び
- 税引き前の企業利益は前期比2.8%減ー15年以来の大幅マイナス
- 前年同期比では3.1%増ー17年以来の小幅な伸び
- 個人消費支出(PCE)価格指数の食品とエネルギーを除いたコア指数は前期比1%上昇ー速報値の1.3%上昇から下方修正され、3年ぶりの低い伸び
- 在庫と純輸出のGDP寄与度は合わせて1.56ポイントー速報値の1.68ポイントからわずかに下方修正
- ただ、この両項目の高い寄与度は最終的に今後数四半期の成長の重しになる可能性がある
- 純輸出の寄与度は0.96ポイント(速報値1.03ポイント)
- 在庫の寄与度は0.6ポイント(速報値0.65ポイント)ー小売りや卸売りが下方修正
- 企業の設備投資は2.3%増(速報値2.7%増)
- 構築物への投資が上方修正された一方、機器投資は下方修正
- 政府支出は2.5%増ー速報値の2.4%増から上方修正
- 統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. First-Quarter Growth Revised Down to 3.1% Pace From 3.2%(抜粋)