【シンガポール時事】シャナハン米国防長官代行は1日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」で演説し、新たなインド太平洋戦略を発表した。急速に拡大する軍事力と経済力を背景にした中国の領土拡張主義に対抗するため、民主主義や市場経済などの価値観を共有する各国が国防支出を増やし、地域の安定化に貢献するよう求めた。
シャナハン氏は演説で「地域諸国の死活的利益に対する最大の長期的脅威は、ルールに基づく国際秩序の弱体化を狙う国からもたらされるだろう」と暗に中国を批判。その上で「間接的手法で徐々に他国を搾取して軍事的に強制支配し、自国の排他的利益を追求している」とたたみかけた。
また、米国が推進する「自由で開かれたインド太平洋戦略」は「包括的なアプローチ」であり、「共通目標を支援する協力的な地域安全保障ネットワークの構築を進めている」と中国との違いを強調。「各国は主権をしっかりと確保し、独立した決断を行うための能力獲得に投資してほしい」とも訴え、同盟国やパートナー国がそれぞれ防衛能力や抑止力を強化するよう呼び掛けた。