【ワシントン時事】米商務省が6日発表した4月の貿易統計(通関ベース、季節調整前)によると、モノの取引に限った対日貿易赤字は前年同月比16.4%増の72億ドルとなった。赤字の規模は2008年4月(76億ドル)以来11年ぶりの高い水準に達しており、米国は貿易協定交渉で是正圧力を強めるとみられる。
国別の赤字幅は中国が首位。日本は前月に続いてメキシコに次ぐ3位だった。対日赤字は自動車関連が45億ドルと6割を占めた。米国は貿易赤字の削減を通商政策の柱に据えており、4月に始まった日米貿易協定交渉で農産物や自動車分野の市場開放を日本に要求している。
一方、対中貿易赤字は3.2%減の269億ドル。貿易摩擦や中国の景気減速で対中輸出が伸び悩んだことが要因とみられる。ただ、依然として高水準にとどまっており、米国は赤字の一因とみる不公正貿易慣行の是正を迫る構えだ。
国際収支ベース(季節調整済み)で見たモノとサービスを合わせた貿易赤字は5.3%増の508億ドル。世界経済が減速する中、輸出は1.0%減と伸び悩んだ。輸入は0.2%増となった。