【香港時事】香港で身柄を拘束した容疑者を中国本土へ移送できるようにする「逃亡犯条例」改正に反対する香港の民主派が9日、香港島中心部で大規模なデモを行った。デモを主催した民主派団体「民間人権陣線(民陣)」は103万人が参加したと発表した。香港の人口は約750万人なので、7人に1人が参加した計算で、発表通りなら「(1997年の)返還後最大」のデモとなる。警察発表の参加者は24万人。
条例改正により、中国政府に都合の悪い民主活動家やジャーナリスト、中国側とビジネス上の紛争を抱える企業関係者も引き渡しの対象になる恐れがあり、在住外国人を含む幅広い層がデモに参加した。「反送中(中国への移送反対)」と口々に叫びながら、立法会(議会)前まで行進した。
英国出身のNGO団体職員ショーン・マーティンさん(40)は、華為技術(ファーウェイ)副会長逮捕の報復で中国当局がカナダ人を逮捕したとして、「同じようなことが香港でも起こりかねない。中国が引き渡しを求めてきたら、香港政府は拒否できない」と話した。
デモは午後2時半(日本時間午後3時半)から始まり、夜10時(同11時)ごろ終了したが、一部の参加者は立法会周辺の道路などで座り込みを続けた。深夜から翌10日未明にかけて、強制排除しようとする警官隊と一部が衝突した。