[ワシントン/北京 19日 ロイター] – ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は19日、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に先立ち、中国側の対米首席交渉官、劉鶴副首相と会談する見通しを示した。 

ライトハイザー代表は議会で、一両日中に劉鶴副首相と電話で協議した後、G20サミット開催地の大阪でムニューシン財務長官と共に会うと見通した。 

米中通商協議がいつ再開されるかはまだ分からないとしながらも、米国には中国と取り組んでいく明確な意思があると表明。通商合意を得ることは米中両国の国益にかなうとの考えを示した。 

通商協議では、中国の報復関税撤廃や新規購入が重要な問題になるという認識も明らかにした。 

トランプ大統領は前日、中国の習近平国家主席と電話会談を行ったことを明らかにし、米中首脳会談を今月末に大阪で開催されるG20首脳会議に合わせて実施すると述べた。中国の国営中央テレビ(CCTV)も、電話会談で習主席が首脳会談の実施に合意したなどと報じた。 

中国外務省報道官は19日、両首脳が協議したいことをすべて議論するだろうとし、過去40年の米中の歴史を振り返れば、前向きな結果を出すことは常に可能だという認識も示した。 

米中の通商合意について両国の利益となるだけでなく、世界の願いをかなえることになるとも発言。最も重要なのは、中国と米国の双方が受け入れ可能な解決策を模索することだと述べた。 

このほか、米大手企業少なくとも5社の経営トップが今週、北京で開かれる中国の李克強首相との会合に出席することが、ブルームバーグの報道で明らかになった。 

ブルームバーグは関係筋の話として、素材科学のダウ(DOW.N)、宅配便のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)(UPS.N)、製薬大手ファイザー(PFE.N)、複合企業ハネウェル・インターナショナル(HON.N)の最高経営責任者(CEO)らが会合に出席すると報じた。 

また、中国国営テレビの映画チャンネルはここ数週間、朝鮮戦争時代の中国の英雄的行為を描いた反米色の強い映画を放映していたが、19日は第2次大戦中に中国の共産党ゲリラに救出された米国人パイロットが女性戦闘員と恋に落ちる映画を放映。G20を控えて反米色を薄めている。