[ミラノ 21日 ロイター] – イタリアのサルビーニ副首相(「同盟」党首)は21日、少なくとも100億ユーロ(110億ドル)の減税を実現できなければ、政権から去る方針を示した。ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議に出席していたコンテ首相も減税に関してサルビーニ氏に同調する考えを示した。 

サルビーニ副首相は伊紙コリエーレ・デラ・セラに対し「100億ユーロ以下の減税は本格的な減税ではない」とし、「イタリアには大々的な税改革が必要という強い信念をもって米国から戻ってきた。それを実現させるのが、私の仕事だ。それをさせてもらえないのなら、グッバイと言って去るつもりだ」と述べた。 

サルビーニ氏が率いる同盟は5月の欧州議会選挙で躍進。国内選挙でも支持を伸ばしていることからサルビーニ氏の発言力は増しており、事実上の首相のような言動が増えている。 

同氏は午後、ミラノで記者団に対し、できるだけ早く2020年予算案に関する協議を開始する意向を示したものの、いかなる代償を払っても欧州委員会とは妥協しないと述べた。ただ、早期解散総選挙は望まないとも述べた。 

コンテ首相はサルビーニ氏の減税に関する考えを「共有する」と表明。自身の考えはサルビーニ氏よりも「野心的」であるとし、税率は引き下げられるべきとの原則に沿って改革を実行する必要があると述べた。 

イタリア政府は来週26日に新たな財政赤字削減目標を公表する。