香港では、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐって抗議活動が相次いでいて、21日夜は市民数万人が警察本部を取り囲むなど、依然として混乱が収束する見通しは立っていません。

香港では、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案に反対して大規模な抗議活動が相次ぎ、今月12日には、若者たちと、排除しようとする警察との間で激しい衝突が起き、多くのけが人が出ました。

21日は、これまでの警察の強硬な対応に抗議しようという若者たちが朝から大勢中心部の警察本部の前に集まり、夜には仕事帰りの人たちなども加わって、その数が数万人にふくれあがりました。

集まった人たちは「乱暴な警察はいらない」などと声をあげ、警察の責任の追及と、拘束されている学生たちの釈放を要求しました。また、周辺の幹線道路の一部ではバリケードが作られ、封鎖が続きました。

条例の改正案をめぐっては、香港政府トップの林鄭月娥行政長官が今月18日に記者会見し、事実上、廃案になるという認識を示していますが、市民の間では改正案の「完全な撤回」や警察の責任を追及する声がさらに強まっています。

民主派の団体は、国際社会の理解と支援を得ようとG20大阪サミット直前の今月26日にも再び抗議活動を呼びかけており、依然として混乱が収束する見通しは立っていません。