【マイアミ時事】来年秋の米大統領選に向けた民主党の初の候補者討論会は2日目の27日(日本時間28日)、南部フロリダ州マイアミで主要候補が論戦を繰り広げた。各種世論調査の支持率でトップを走るバイデン前副大統領(76)が米国の「再生」を訴えたのに対し、追うサンダース上院議員(77)は「革命」が必要だと主張。他の候補者も必死に存在感をアピールした。
バイデン氏が強調したのは中産階級や労働者というキーワード。トランプ政権が2017年に実施した「富裕層のための」減税を廃止すると明言し、「労働者の尊厳を取り戻し、米国の屋台骨である中産階級を再生する」と訴えた。トランプ氏の下で分断が進む米国を「再び一つにする」と強調した。
サンダース氏も同様にトランプ氏の減税が「1%の富裕層」しか潤していないと主張した。ただ、中道寄りのバイデン氏とは政治手法で一線を画した。「われわれは政治の革命を必要としている。ウォール街や製薬企業、軍需産業、化石燃料産業に立ち向かう度胸がなければ何も変わらない」と語った。
他の候補は、70代の2人をとらえようと躍起になった。黒人女性のハリス上院議員(54)は、人種差別主義の上院議員とかつて政治的立場を超えて協力したことを誇ったバイデン氏の最近の発言について、「あなたが人種差別主義者だとは思わないが、心が痛んだ」と攻撃した。
最年少のブティジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長(37)は、サンダース氏が公約する国民皆保険について「現在の制度からどのように移行するのか説明する責任がある」と迫った。スウォルウェル下院議員(38)は、バイデン氏が32年前に大統領選に初出馬した際の演説をそのまま引用して「次の世代にたいまつを手渡すときだ」と世代交代を求めた。