日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業がプラス7となり、前回3月調査から5ポイント低下した。景況感の悪化は2四半期連続。米中貿易摩擦や中国経済の減速に対する警戒感から企業心理が一段と冷え込む格好となった。

 プラス7は2016年9月以来、2年9カ月ぶりの低水準。日銀は「米中摩擦などの影響を指摘する声が幅広く聞かれた」と指摘した。中国や欧州向けの輸出低迷や、世界的な半導体需要の減少を背景に生産用機械、金属製品、自動車が大幅に悪化した。3カ月後の見通しはプラス7と横ばいだった。

 DIは業況が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出。大企業非製造業の業況判断DIはプラス23となり、前回から2ポイント上昇した。改元に伴う10連休効果で宿泊・飲食サービスなどが伸び、2期ぶりに改善した。

 中小企業製造業のDIはマイナス1と前回から7ポイント悪化。2年9カ月ぶりにマイナスとなった。

 19年度の大企業全産業の設備投資計画は前年度比7.4%増と底堅さが示された。大企業製造業の想定為替レートは1ドル=109円35銭と前回より円安方向の予想となった。