【ソウル=桜井紀雄】韓国産業通商資源省は24日、日本政府が安全保障上の友好国として輸出上の手続きを簡素化する「ホワイト国」から韓国を除外する方針を示していることについて、不当な措置であり、即時撤回を求めるとする意見書を日本政府に提出した。
ジュネーブで24日に開かれた世界貿易機関(WTO)一般理事会では、韓国を支持する動きがなく、ロイター通信は「韓国は支持を取り付けることに失敗した」と報じた。
24日は「ホワイト国」除外に関して日本政府が実施しているパブリックコメント(意見公募)の締め切り日に当たる。除外措置が実施されれば、半導体材料3品目について4日から行われている輸出管理の厳格化に比べ、自動車産業など広範囲に影響が及ぶと予想され、韓国は強く警戒している。
成(ソン)允(ユン)模(モ)産業通商資源相は、記者会見で「韓国の輸出統制制度の未熟さや両国間の信頼関係の毀(き)損(そん)など、日本側が挙げる措置理由には全て根拠がない」と批判。日韓の経済協力の「根幹を揺さぶる重大事案」を事前協議なく通告したとして遺憾の意を表明した。「韓国政府は未来志向的な関係発展のため、いつどこでも対話する準備ができている」とも述べ、日本側に協議に応じるよう促した。
韓国の主要経済5団体も23日に「世界経済に相当なマイナス影響を及ぼす」として措置の撤回を求める意見書を日本側に提出した。
一方、訪韓したボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は24日、康(カン)京(ギョン)和(ファ)外相と会談し、日韓関係のさらなる悪化を防ぎ、対話を通じた外交的解決を模索する上で、意思疎通を密にすることで一致した。韓国外務省が発表した。
ボルトン氏は、韓国大統領府の鄭(チョン)義(ウィ)溶(ヨン)国家安保室長や鄭(チョン)景(ギョン)斗(ドゥ)国防相とも会談、北朝鮮核問題などでの日米韓協力の重要性を再確認した。韓国は、深刻化する日韓対立の仲裁を米国に期待しているが、米側は、まずは日韓で解決すべきだとの立場を維持している。
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