- みずほ、三菱UFJ、SMBC日興、大和証Gやアップルが出資者に
- 最大出資者の孫社長の意見がより反映されやすくなった-アナリスト
ソフトバンクグループは26日、人工知能(AI)など世界の先端テクノロジー企業に投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」第2弾の設立を発表した。出資総額は約1080億ドル(11.7兆円)の予定。
資料によると、SVF2へのソフトバンクGの出資額は380億ドル。米アップルやマイクロソフトに加え、日本からはみずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行、第一生命保険、SMBC日興証券、大和証券グループ本社などが参加する見通しだ。
英国のスタンダード・チャータード銀行や台湾の大手投資家の参加も見込まれている。ファンドの規模は11.7兆円よりも大きくなる可能性がある。
1号ファンドで最大の出資者だったサウジアラビア政府系のパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)やアブダビ首長国のムバダラ開発公社は、現時点で出資者に含まれていない。ソフトバンクG広報担当の沢竹大輔氏によれば、現在、協議を継続しているという。
SMBC日興証券の菊池悟アナリストは電話取材で、「孫正義社長がまだまだ世界に投資すべきテクノロジー企業があると考えていることの証し」と分析。ソフトバンクGが最大の出資者となり、「孫氏の意見がより反映されやすくなった」とみる。
2016年に設立が発表されたSVF1号ファンドの3月末時点の出資総額970億ドルのうち、ソフトバンクGは281億ドルを出資し、投資リターンは成功報酬を含め62%だった。19年3月期には、ビジョンファンドから営業利益の半分以上を上げた。
大和証Gの中田誠司社長は26日、都内で記者団に対し、ビジョンファンドのこれまでの実績を見て「いいパフォーマンスが期待できると思って参加した」と語った。出資額については数十億円以上の規模になるという。
5月時点の投資先は82社で、米配車サービスのウーバー・テクノロジーズは同月に新規株式公開(IPO)した。事情に詳しい関係者によると、シェアオフィス事業の米ウィーワークも9月のIPOを目指している。孫社長は5月の決算会見で、「ビジョンファンドに対する情熱が私の情熱の97%」と話していた。
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