[グレンティーズ(アイルランド) 27日 ロイター] – アイルランドのバラッカー首相は27日、英国が欧州連合(EU)と合意せずに離脱した場合、英領北アイルラドとアイルランドの統一という問題が必然的に浮上するとの見方を示した。さらに、英国におけるスコットランドの立場にも影響を及ぼすとの考えを示した。 

バラッカー氏の発言を受けて、英国との連合維持を主張する北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)は即座に反発。DUPのイアン・ペイズリー議員は、アイルランド政府の発言は「無益で不必要に挑戦的だ」と批判した。 

アイルランド政府は統一アイルランドを正式に計画し始めるかとの質問に対してバラッカー氏は、北アイルランドの英連合維持派への挑発と受け止められるため現時点では計画しないが、合意なき離脱となった場合、そうした問題は浮上すると説明。「北アイルランドの大半の人々の意志に反して、英国が北アイルランドをEUから離脱させ、人々のEU市民権を奪い、和平合意を弱体化させれば、そうした問題が持ち上がる」とし、それに備える必要があるとの考えを示した。 

2016年に行われたEU離脱の是非を問う英国民投票では、北アイルランド住民の56%がEU残留を支持した。 

バラッカー氏はさらに、合意なき離脱となった場合は、国民投票で62%がEU残留を支持したスコットランドでも独立機運が高まるかもしれないと指摘した。