[ニューヨーク 6日 ロイター] – 米国株式市場で主要株価指数は1%を超える上昇となった。中国側が人民元の安定化に向けた動きを見せたことで、米中貿易摩擦を巡る懸念が後退し、前日の大幅安から値を戻した。
S&P総合500.SPXとナスダック.IXICは7営業日ぶりに反発した。
中国が前日、約10年ぶりの人民元安を容認したことを受け、米政府は中国を為替操作国に認定。これを背景に、中国当局はこの日元安定化に向け動いたもよう。
前日は元下落を受けて、世界的にリスクを回避する動きが広がり、米株価主要3指数の下落率はそろって年初来最大となった。
プルデンシャル・ファイナンシャルの首席市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「中国が元を安定的に高止まりさせることを望んでいることを示すシグナルだ。ただ、状況が一転する可能性も示唆した。こうした見方は市場に浸透し、不安はくすぶっている」と述べた。
中国人民銀行(中銀)はこの日、対ドル基準値を1ドル=6.9683元と市場予想よりも元高水準に設定。またオフショア市場の香港で人民元建て債券300億元(42億5000万ドル)相当の発行計画も発表。これを受けリスク選好が改善した。
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、トランプ大統領は中国との貿易交渉継続を望んでおり、政府としてさらなる協議に向け9月に中国の使節団を迎えることを依然検討していると語ったことも材料視された。
前日売り込まれていたS&P情報技術.SPLRCTは反発し、1.61%高で終了。
アップル(AAPL.O)は1.9%高。 フィラデルフィア半導体.SOXも1.28%上昇した。 ウォルト・ディズニー(DIS.N)は2.6%安で通常取引を終えた後、引け後の時間外取引で4%安。四半期利益が市場予想を下回ったことが嫌気された。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.17対1の比率で上回った。ナスダックは1.85対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は79億3000万株。直近20営業日の平均は69億1000万株。