• トランプ氏が中国副首相を称賛、日本への自動車関税「現時点」なし
  • トランプ相場に苦悩する市場、アムジェンが資産買収、米イラン関係
トランプ大統領
トランプ大統領 Photographer: NICHOLAS KAMM/AFP

米金融市場は米中貿易戦争を巡る懸念が後退し、リスク資産が買われる動きとなりました。きっかけの1つは再びトランプ米大統領の発言ですが、連日同氏のツイートや発言に振り回される予測不能な相場を「異様」と評するむきもあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

融和的な姿勢

トランプ大統領は貿易協議に関して、中国が取引成立を「非常に強く望んでいる」と再び主張。中国の劉鶴副首相を称賛した。先進7カ国首脳会議(G7サミット)後の記者会見でトランプ氏は、劉氏が「冷静な」態度を呼び掛けたとし、「劉氏に同意する」と述べた。ただし、取引は貿易不均衡に対応するとともに「われわれにとってより良い」ものでなくてはならないと言明した。

自動車関税

日本から輸入する自動車・同部品に新たな関税を課すことは「現時点」では考えていないと、 トランプ氏が記者会見で述べた。「それが合意を取りまとめた理由の一つだ」と発言した。トランプ氏は25日の日米首脳会談後に両国が貿易交渉で原則合意したと発表した際、日本車に対する米国の関税措置に何ら変更はないと話していた。 安倍晋三首相は日米貿易交渉について、9月末までの協定署名目指し作業を加速することで一致したと内外記者会見で述べた。

トランプ相場

「2008年当時の信用デリバティブ売買はクレージーだったとよく話したものだが、今の方がはるかに異様だ」と話すのは、パシフィック・ライフ・ファンド・アドバイザーズで資産配分責任者を務めるマックス・ゴクマン氏。トランプ大統領が「最大の問題」だと話す。今年の8月はS&P500種株価指数が1%以上の値動きになった日が、先週末時点で17営業日のうちすでに9営業日と、昨年12月の相場急落以降で最大のボラティリティーを記録している。

合併に向け

米アムジェンは、セルジーンの乾癬(かんせん)治療薬「オテズラ」を現金134億ドル(約1兆4000億円)で取得する。これにより、セルジーンとしてはブリストル・マイヤーズスクイブとの合併への道が開かれる。将来見込まれる税制優遇措置を考慮に入れた場合、取得額は112億ドル。ブリストルはオテズラと競合する乾癬治療薬を開発中で、反トラスト当局の懸念に対応するため6月にオテズラを売却する方針を発表していた。

こちらも融和

トランプ大統領は2015年のイラン核合意を巡る対立について協議するため、同国のロウハニ大統領と「適切な」状況下であれば会談する用意があると述べた。マクロン仏大統領は数週間内の会談実現に期待を示したものの、トランプ氏は慎重な姿勢を維持。マクロン氏は会談が実現すれば、合意は可能だと指摘。ロウハニ大統領も協議に前向きな姿勢を示し、「われわれは自国の利益のためにあらゆる手段を利用しなければならない」と述べた。

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