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麻生太郎財務相=2019年8月8日午前、首相官邸、岩下毅撮影

 政府は3日、マイナンバーカードを普及させるため、新たなポイント還元策を2020年度中に始めると発表した。カード保有者に限って、キャッシュレスで決済した場合にポイントを上乗せする仕組みをつくる。ただ、政府内からも効果を疑問視するような声がさっそく上がっている。

 政府は10月からの消費増税にあわせ、来年6月までの9カ月限定でキャッシュレス決済へのポイント還元を景気対策として行う。新たな還元策は、この対策が終わった後の来年7月以降に導入する。景気の落ち込みを防いだり、キャッシュレス決済を広めたりすることも狙う。

 検討中の案では、民間のキャッシュレス機能で事前入金(チャージ)し、マイナンバーカードを連携させると、国費でポイントが上乗せされる。上乗せできる金額には上限を設ける。例えば2万円をチャージすると、国費で5千円分のポイントが上乗せされ、買い物で使えるイメージだ。

 近く検討チームを立ち上げ、連携方法や上乗せ金額の上限など具体策を練る。

 マイナンバーカードの取得率は9月1日時点で13・9%。政府は来夏に取得率が倍増し、23年3月末にはほとんどの住民に行き渡る絵を描く。21年3月から健康保険証代わりに使えるようになることの効果もあるとみる。

 麻生太郎財務相はこの日の閣議後記者会見で、新たな制度がカード普及に寄与するかについて「それなりの効果が上がってくることを期待しますよ」と述べた。

 一方で、普及が進まぬ原因について「とてもじゃないけど利用範囲が少ないから持っている人でも使ったことがない。俺も正直言って、使ったこと1回もない」と指摘。普及率に対する運営コストの高さについても言及し、「使う必要がないものにスタートの時にいくら金かけたか、毎年いくら金がかかっているか。あほらしくて聞いてられない」と不満を漏らした。(岩沢志気、藤田知也)