- ホワイトハウス、7月の米ウクライナ首脳電話会談の記録文書公表
- ウクライナ疑惑で米下院議長は大統領の正式な弾劾調査を開始
トランプ米大統領は、ウクライナのゼレンスキ-大統領に対し、個人弁護士のルディ・ジュリアーニ氏ならびにバー米司法長官と協力して、米大統領選の有力候補である民主党のバイデン前米副大統領について「調査」するよう求めた。25日公表された両首脳の電話会談の記録の概要で明らかになった。
記録によればトランプ氏はさらに、2016年米大統領選の選挙期間中にハッキングされた民主党全国委員会のコンピューターサーバーをウクライナが特定できるかゼレンスキ-氏に尋ねてもいた。
トランプ氏は電話会談でバイデン氏について複数回言及。バイデン氏が副大統領当時、息子が勤務する会社を助ける目的でウクライナ検察トップの解任を働き掛けたとトランプ氏は主張した。ただ、この主張の信ぴょう性については広く疑問視されている。
トランプ氏は「バイデン氏の息子については多くのうわさがある。バイデン氏が訴追を阻止したというもので、それを知りたがっている人は多い。そこで米司法長官とウクライナが協力できるなら何であれ素晴らしい」と、バー長官に言及しつつゼレンスキー氏に述べた。
これに対してゼレンスキー氏は、自らが指名する新たな検事総長が「状況を調査する。特にトランプ大統領がこの点で言及した企業を調べる」と応じた。
ペロシ米下院議長は24日、トランプ大統領の正式な弾劾調査を開始すると発表。トランプ氏がゼレンスキー大統領に対し、軍事支援再開の見返りとしてバイデン氏の家族に関連する刑事捜査をあらためて行うよう圧力をかけたかどうかが調査の焦点となる。
ゼレンスキー氏は4月に当選し、電話会談は7月25日に行われた。ウクライナは米国の軍事支援に依存している。
トランプ氏はゼレンスキー氏に対し、将来の米軍事支援はバイデン氏調査が条件だとは明言せず、この電話会談の直前に軍事支援を凍結したことにも具体的には触れなかった。ゼレンスキー氏は電話会談の初めの段階で米軍事支援に感謝を伝え、米国に対戦車ミサイルを追加発注する用意があると述べており、支援停止に気づいていなかったことがうかがえる。
これに対しトランプ氏は「一つお願いしたいことがある。米国はこれまでたくさんのことをしてきた。ウクライナは十分承知しているだろう」と話し、その後、バイデン氏に関するものも含めトランプ氏が望むさまざまな調査が両首脳の間で話し合われた。
原題:Trump Asked Ukraine to Work With Giuliani, Barr on Biden Probe;Trump Escalates Political Jeopardy With Release of Ukraine Call(抜粋)