ナッパー米国務次官補代理(韓国・日本担当)は27日、都内の米大使公邸で産経新聞の単独インタビューに応じ、11月23日に失効する日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「韓国が破棄決定を再考し戻ってくることを望む」と述べた。米高官がGSOMIA破棄再考に言及するのは異例。
GSOMIAは日韓、日米、米韓がそれぞれ締結し、ミサイル発射情報などを共有する基盤になっている。韓国は8月に日本との協定を破棄すると通告、失効すれば日韓で軍事情報を保護する枠組みが崩れる。
ナッパー氏は「GSOMIAなしでは危機に効果的に対応できない」と主張。「失効まで時間はある」と韓国の復帰を強く促した。
中露が日本海上空で7月に実施した合同飛行訓練についても「史上初めてだ」と脅威認識を示し、「民主主義や人権などの価値観を共有する米韓日が同盟関係の中で共同していくことが不可欠だ」と訴えた。
昨今の日韓関係の悪化は「米国の国益を傷つける」と指摘。「仲介の意図はない」としつつ、「日韓が隔たりを埋められるよう前向きに役割を果たす」と話した。(平田雄介)