ロシアのモルグロフ外務次官は、日本との平和条約交渉をめぐって、安全保障をめぐる問題が解決できていないことが障害になっていると改めて指摘した一方、争点を絞った形で実質的な交渉を進める用意があることを明らかにしました。
ロシアの大統領特別代表として平和条約交渉を担当しているモルグロフ外務次官は国営のロシア通信のインタビューの中で、「大きな懸念の1つは日本とアメリカの同盟に基づく活動だ」と述べ、アメリカがINF=中距離核ミサイルの全廃条約の失効を受けてアジアに中距離ミサイルを配備する意向を示す中、日本が導入する新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」への懸念を改めて示しました。
そのうえで、「こうしたことが平和条約問題で双方受け入れ可能な解決策を見つけるための新たな障害になっている」と指摘しました。
一方、モルグロフ次官は「ことし行われた首脳会談の結果を受けて、両首脳からは項目に沿った対話を継続するよう指示されている」と述べ、北方領土をめぐる歴史認識の違いや安全保障上の課題などに争点が絞られる中、今後、実質的な交渉を進める用意があるとの考えを示しました。