[ワシントン 27日 ロイター] – 米議会下院の外交、情報、監視の3委員会は27日、ポンペオ国務長官に対し、ウクライナ政府との連絡文書の提出を求める召喚状を出した。また、向こう2週間で5人の国務省当局者らに証言を求める予定だ。 

これら3委員会は、トランプ大統領が来年の大統領選を有利に運ぶため、ウクライナのゼレンスキー大統領に政治的便宜を図るよう圧力をかけたとされる疑惑について調査を進めている。トランプ氏の行動が国家安全保障や米選挙の健全性を損ねた可能性が問題視されている。 

今後証言を求められる国務省当局者は、ボルカー・ウクライナ担当特別代表ら。関係筋によると、ボルカー氏は27日、同ポストを辞任した。辞任の理由は現時点で明らかになっていない。 

このほか、ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使、ソンドランド駐欧州連合(EU)大使、ケント国務次官補代理、ブレックブル国務省参事官の証言が予定される。 

国務省は召喚状やボルカー氏の辞任についてのコメント要請に応じていない。 

3委員会は、トランプ氏とゼレンスキー氏の7月25日の電話会談を含め、ウクライナ当局者とのやり取りに関する書類や情報を26日までに提出するよう政権側に求めていたが、提出されなかったため召喚状を発行した。 

トランプ氏はこの電話会談で、来年の大統領選の野党・民主党有力候補と目されるバイデン前副大統領と同氏の息子について調査するよう圧力を掛けたとされている。 

この疑惑を受け、民主党のペロシ下院議長は24日、トランプ氏弾劾に向けた正式調査を開始すると発表。 

27日には米政府機関の元当局者300人超が、同調査を支持する署名を提出した。 トランプ氏は疑惑を否定し、同調査に反発。「魔女狩り」などと民主党を批判している。