[ロンドン 21日 ロイター] – 英下院のバーコウ議長は21日、ジョンソン首相が欧州連合(EU)と合意した新たなEU離脱協定案の承認に向けた採決を同日中に実施することを拒否した。
月末の離脱期限までに残された時間がわずか10日となる中、英EU離脱を巡る不透明感が再び高まっている。
バーコウ議長は、英下院が19日に関連法案が成立するまで新離脱協定案の採決を先送りにする動議を可決したことに言及し、「きょうの動議は19日に出され、議決された動議と実質的に同じであり、現況も19日と実質的に同じだ」とし、新離脱協定案の採決に向けた「動議はきょう討議されない。繰り返しかつ無秩序となる」と述べた。
議長はさらに、英政府が31日の期限まで議会承認を得る可能性は依然あると述べた。
ポンドは対ドルで1.2962ドルに下落。バーコウ議長の決定前は、5カ月半ぶり高値を付けていた。
ジョンソン首相の報道官によると、ジョンソン首相はバーコウ議長の決定に失望し、英国民の意志実現の機会を拒否したとの認識を示した。また、政府が週内に離脱協定法案を提出する方針とした。
英下院が週末に新離脱協定案の採決を先送りにする動議を可決したことを受け、ジョンソン首相は来年1月31日までの離脱延期をEUに書面で要請することを余儀なくされた。しかし、書簡にはジョンソン氏の署名はなく、同氏は延期を望まない意向を示した署名入りの書簡も送った。
バークレイEU離脱担当相はこの日、離脱延期を要請する書簡をEU側が受け取り、加盟国と協議する意向を示したことを明らかにした。