[ブリュッセル 23日 ロイター] – 英国が月末の期限に欧州連合(EU)離脱を達成することが困難となったことを受け、トゥスクEU大統領は23日、離脱期限を来年1月末まで3カ月延期する英政府の要請を受け入れるよう加盟国に提案した。 

加盟国は会合を開き、トゥスク大統領の提言を検討。外交筋らによると、この日は延長する期間などを巡り決定に至ることは見込まれておらず、25日に再度会合を持つ。また、緊急首脳会議の開催を回避するため、離脱延期を巡る決定は書面による手続きで進める考えという。 

EU高官や外交筋らによると、EUが英国の要請通り3カ月の延期を容認し、英国の用意が整えば期日前の離脱を認める決定が最も可能性の高いシナリオとなっている。 

しかし、最大の不透明要因はフランスの見解という。仏大統領府は、英議会に採決の時間を与えるために数日の延長は容認する構えとしつつも、それ以上の期間を延長することには反対を唱えている。 

EUが延期要請に応じれば、当初3月29日に設定されていた離脱期日の延期は3回目となる。 

ジョンソン首相の報道官は、EUが3カ月の延期を受け入れるのなら、クリスマス前の総選挙実施が必要になるとしている。 

英議会下院は22日、欧州連合(EU)離脱協定関連法案を3日間で高速審議するための議事進行動議(プログラム動議)を否決。これを受け、ジョンソン首相が目指す10月31日付での離脱はほぼ不可能となった。