[ブリュッセル 25日 ロイター] – 欧州連合(EU)は25日、英国の離脱期日の延期で合意した。ただ延期後の新たな期日は示さず、ジョンソン英首相が提案した総選挙実施について英議会が討議する時間的な猶予を与える格好となった。 

英国を除くEU加盟27カ国の代表はこの日、英国の離脱延期の期間を巡り協議。EU当局者は協議後、「延期が必要との完全な見解の一致があった」と述べた。週末にかけてさらに協議を進め、来週28日、もしくは29日にブリュッセルで再度会合が開かれる可能性があるとしている。 

フランスの外交官によると、この日の協議で27カ国は原則的に延期で合意。「延期の期間については、来週初めに合意を模索する。合意を得るまで時間がかかるが、前進はしている」と述べた。 

ただEU外交官によると、フランスは英議会に対する圧力を維持するために11月15日、もしくは11月30日までの延期を提案。「誰もがこの日の決定を望んでいたが、フランスはこれを望まず、英国の対応を見極めるために週明け28日、29日まで待ちたいとした」と述べた。 

外交筋は、フランスが示している姿勢は「分断的で、(EU27カ国を)結束させるものではない」とし、フランスは孤立化しているとの見方を示した。 

離脱延期の決定には全会一致が必要で、現行の離脱期日の60時間前までに決定される必要がある。 

ジョンソン英首相は前日、EU離脱を巡る混迷打開に向け12月12日の総選挙実施を提案。ただ首相に議会解散権はなく、野党の同意が必要となるため、総選挙が実現するかどうかは不透明だ。