[ワシントン 29日 ロイター] – 米中通商協議を巡る「第1段階」の合意文書署名が、チリで来月開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に間に合わない可能性が出てきた。米政府当局者が29日、明らかにした。同時に双方の合意が崩れたわけではないとも強調した。
この当局者は「チリで署名できないとしても、合意が崩れたわけではない。単に準備ができていないだけだ」と指摘。「われわれはチリでの署名を目指しているが、一部の文言が整っていない。ただかなり進展はしており、チリで文書に署名できるよう期待している」と語った。
トランプ大統領のほか、ムニューシン財務長官ら政府高官も米中協議は進展しているとの見解をこれまでに表明。ホワイトハウスのディア報道官は「大統領が数週間前に表明した通り中国と第1段階の合意に達した。チリで署名できるよう、文書の最終決定に向け米中はともに取り組んでいる」と述べた。
APEC首脳会議は11月16─17日に開催される。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、米中首脳はAPEC首脳会議に合わせて通商合意を最終決定するとみられているが、具体的な日程はまだ決定されていない。政府当局者は「すべてが円滑に進めば」米中首脳は11月17日に通商問題を巡る中間合意に署名する可能性があると述べた。