[ソウル 14日 ロイター] – 北朝鮮は14日、米国から非核化を巡る新たな協議の提案があったことを明らかにした。ただ北朝鮮が協議の期限として設定した年末が迫る中、「北朝鮮の懐柔」を目的とする協議に応じる意思はないとした。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、非核化交渉を担う金明吉(キム・ミョンギル)首席代表は、米国のビーガン北朝鮮担当特別代表が第3国を通した再協議を提案したことを明らかにした。
KCNAによると、金首席代表は「解決が可能なら、いかなる時でも、どこでも米国と協議する用意がある」と表明。ただビーガン氏の提案は「(北朝鮮が設定した年末の期限に向け)安易に物事を進めるために北朝鮮を懐柔する悪意のある」提案であるとし、「北朝鮮はこうした協議に応じる意思はない」と述べた。
両氏は10月、 スウェーデンの首都ストックホルムで協議を行ったが決裂。金首席代表は協議後、記者団に対し通訳を通じて「協議はわれわれの期待に沿わず、最終的に決裂した」と述べていた。協議決裂を受け、北朝鮮は年末とする協議期限で揺さぶりをかけている。
この日は米軍制服組のトップ、ミリー統合参謀本部議長と韓国軍制服組トップの朴漢基合同参謀本部議長らが14日、ソウルで米韓軍事委員会(MCM)を開いた。MCMは米韓の参謀議長級の年次総会で、両国で1年単位で相互訪問し会議を開いている。 ミリー統合参謀本部議長は、韓国をいかなる攻撃から守るために米国はあらゆる手段を尽くすと表明。声明で「拡大された抑止力を提供することに引き続きコミットする」とした。
米国のエスパー国防長官はこの日にソウルに到着し、15日に韓国国防相と会談する。