[ワシントン 15日 ロイター] – トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾調査で、マリー・ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使が15日、米下院委員会で公開証言を行った。 

ヨバノビッチ氏は、トランプ大統領の個人弁護士ジュリアーニ元ニューヨーク市長から攻撃された後、5月に突然「根拠のない虚偽の主張」に基づき解任されたと述べ、先月の非公開で行った証言の内容を踏襲した。 

ヨバノビッチ氏は「ジュリアーニ氏による攻撃の動機は理解できない。また、彼が私について広めていた主張に対し意見を述べることもできない」と述べた。 

駐ウクライナ大使の職を解任されたことについては「私は定められた外交政策目標の達成のみを目指していた」とし、「このように外国や個人的な利益が米国の利益を損なうことができた状況を巡りいまだに理解に苦しんでいる」と述べた。 

ヨバノビッチ氏の証言開始後、トランプ大統領はツイッターへの投稿で批判を展開。「ヨバノビッチ氏がポストに就いたすべての場所で状況は悪化した。彼女が働いていたソマリアはどうなったか?」と皮肉った。 

弾劾調査を主導する下院情報特別委員会のアダム・シフ委員長(民主党)はヨバノビッチ氏に対し、トランプ大統領のツイートについて質問。ヨバノビッチ氏は「非常に威圧的だ」とし、「トランプ大統領が何を目的としているのかは分からないが、威嚇的な効果を発している」と応じた。 

同委員会のメンバーであるエリック・スウォルウェル下院議員(民主党)は記者団に対し、トランプ氏によるツイッターでの批判について「証人による証言への威嚇、干渉は一段の妨害行為」とした上で、「自身の行為に対する罪悪感の表れだ。無実の人間はこのような行動は取らない」と語った。 

来年の米大統領選に向けた民主党候補氏名を争うカマラ・ハリス上院議員もツイッターへの投稿で「証人への威嚇は犯罪」と批判した。