[ブリュッセル 20日 ロイター] – 北大西洋条約機構(NATO)は20日、ブリュッセルで外相理事会を開催し、宇宙を陸、海、空、サイバー空間と並ぶ作戦領域に認定したほか、中国の軍事拡大を注意深く監視することで合意した。
NATOを巡っては、マクロン仏大統領が7日、トランプ政権の予測不能な行動や内部の協力態勢の欠如を理由にNATOは「脳死状態」にあるとの見解を表明し、波紋が広がっていた。
外相理事会では、トランプ米大統領の信頼性やトルコのシリア侵攻、防衛費を巡る米欧の対立などが議題となる中で、ドイツのマース外相は欧州が独自で対応すべきではないと指摘。戦略的な問題の議論を目的とするストルテンベルグ事務総長による専門委員会の創設のほか、協議拡大に向けた非公式会議の実施を提案した。
一方、外交筋によると、フランスのルドリアン外相はNATOの将来像を検討するグループの創設を提起。ただ、現時点で詳細は明らかにされていない。
ノルウェーのスールアイデ外相はドイツの提案を歓迎したが、他の外相は一段の協議を求めた。ハンガリーのペーテル外務貿易相は新たな取り組みを好意的に受け入れたものの、あらゆる問題の解決につながるかは分からないとした。
12月上旬にはNATO創立70周年を記念した首脳会議がロンドンで開催される。