[ニューヨーク 3日 ロイター] – ロス米商務長官は3日、トランプ政権は輸入車への追加関税発動の可能性を排除していないと明らかにした。 

トランプ大統領は、「通商拡大法232条」に基づき輸入車が安全保障上の脅威となっているかどうかを検証した商務省の調査を踏まえ、11月中旬までに関税発動について判断することになっていたが、追加関税は発表していない。 

ロス長官はロイターに対し「各企業と協議しており、一定の成果が得られた」と述べた。その上で「関税発動は必要になるかもしれないし、ならないかもしれない」と語った。 

新たな期限があるかとの質問に対しては、ホワイトハウスが11月の声明で新たな期限を示していないことに言及した。 

通商法の専門家はこれまでに、トランプ氏が11月の期限までに判断を示さなかったため、今後関税を発動するためには通商拡大法232条以外の方法が必要になる可能性があると指摘している。 

共和党のパット・トゥーミー上院議員はロス長官の発言を受け、商務省が関税を発動するには新たに調査を実施する必要があるとの見解を示した。 

同議員はツイッターへの投稿で「フォルクスワーゲン車やトヨタ車は安全保障上の脅威ではない。232条に基づく外国メーカー車への関税導入の可能性は閉ざされた」と主張、議会は232条に基づく関税を巡る権限を回復する必要があるとも述べた。 

ロス氏は、欧州の航空機補助金がルールに違反しているとして報復関税を認定した世界貿易機関(WTO)の判断に基づき、欧州から輸入する自動車に関税を課すのは理論上は可能だと指摘。ただ、トランプ政権としてこの可能性を検討しているかどうかは明らかにしなかった。 

また、欧州連合(EU)が米国産車に10%の関税を課しているのに対し、米国のEU製自動車に対する関税率が2.5%にとどまっていることに触れ、「以前から関税合戦は存在していた。米国が自国を守っていなかったというだけだ。不均衡な状態を受け入れていた」と語った。