- 上院でも可決の見込み、トランプ大統領「署名の用意」と顧問
- 20日のつなぎ予算失効前に成立なら政府機関閉鎖は回避される
米下院は17日の本会議で、来年9月までの政府運営資金を賄う総額1兆4000億ドル(約153兆円)の歳出法案2本を賛成多数で可決した。現行のつなぎ予算が20日に失効する前に成立すれば政府機関閉鎖は回避される。
国防総省関連歳出法案は賛成280、反対138で、非国防省庁などの歳出法案は賛成297、反対120でそれぞれ可決された。両法案とも数週間にわたり超党派協議が行われていた。今後、上院に送付され、可決が見込まれている。
トランプ大統領側近のケリーアン・コンウェイ大統領顧問は17日、トランプ大統領は両歳出法案に「署名する用意がある」と述べた。大統領は昨年、共和党にメキシコ国境の壁建設予算増額を求めて合意を控えるよう促し、35日間の一部政府機関閉鎖を招いていた。
シェルビー上院歳出委員長(共和)は、「この法案は米軍再編に多額の投資を行い、大統領の国境の壁にかなりの額の予算を確保する」とし、「数カ月にわたった大変な努力により、2020年度歳出プロセス完了への超党派の道筋が確かなものになった」と語った。
歳出法案に盛り込まれたメキシコ国境の壁建設予算は13億7500万ドルと、トランプ大統領が求めていた約90億ドルを大きく下回ったものの、大統領は民主党が反対していた軍事予算の壁建設への転用が可能となる。
民主党は裁量的経費が現行水準より440億ドル増えることになったと成果を強調。ペロシ下院議長は発表資料で、「全ての民主党員は、米国民の健康や金融面の安定、福利にとって大きな勝利となったこの力強い歳出パッケージを大いに誇りに思ってよい」と話した。