[パリ/ミラノ 18日 ロイター] – 自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI)と、「プジョー」を傘下に持つ仏PSA(PEUP.PA)は18日、拘束力のある合併契約を締結したと発表した。500億ドル規模の対等合併で世界4位の自動車メーカーが誕生する。
両社は6週間前に経営統合計画を発表していた。合併は今後12─15カ月で完了する見込み。統合後の新会社の名称はまだ決まっておらず、数カ月内に決めるとしている。
両社は、年37億ユーロ(41億ドル)のコスト削減目標を工場を閉鎖せず達成する計画作りに着手する。フランス、イタリアともに労組が雇用喪失を懸念しているだけに、計画作りは困難が予想される。
北ドイツ州立銀行の自動車アナリスト、フランク・シュウォペ氏は「両社トップの発言は違っても、新会社は大規模な節減が必要で、工場閉鎖を迫られるだろう」と指摘。PSAとFCAはともに技術とプロダクトレンジの双方で同業他社に大きく遅れをとっているため、新会社は大規模な投資が必要になるとの考えを示した。
DWFのジョナサン・ブラントン氏は「PSAとFCAの合併案件は、特に欧州連合(EU)内で数多くの当局から承認を得る必要がある」と述べた。
ルメール仏経済・財務相は、欧州2位と3位の自動車メーカーの統合を歓迎しながらも、PSAの大株主としてフランス政府は新会社の本拠地がどこになるかなど、注意深く見守る方針だと述べた。
調査会社LMCオートモーティブによると、昨年の販売台数は2社あわせて870万台だったが、潜在的には1400万台の生産能力を有するという。
合併は、需要減少と、厳格化した規制に対応する環境対応車の製造コストに対応するのが狙い。
設備過剰にどう対応するかや、プラットフォームの絞り込みはこれから。
新会社のトップとなる、PSAのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は「現段階では何も決まっていない。どのような機会があるか評価作業をしてきた」と説明した。