[キエフ 17日 ロイター] – ウクライナのホンチャルク首相(35)は17日、自身のものとされるゼレンスキー大統領(41)を批判している音声の記録が出回ったことを受け、辞表を提出した。これに対し、ゼレンスキー大統領は辞表を受け取らず、「チャンスを与える」として続投を容認した。
17日夕に公開された映像によると、ゼレンスキー氏はホンチャルク氏との会談で「君にチャンスを与えることにした。内閣に対してもだ」と発言。また内閣として成果を上げるよう求め、「まだ国民の信託に応えていない」と諭した。
問題となった音声記録は、首相、財務相およびウクライナ国立銀行(NBU)が12月に開いたとみられる会議の中で、男性がゼレンスキー大統領の経済知識の欠如を批判しているもので、メッセージチャンネルを通じて拡散した。
ホンチャルク氏は17日、ソーシャルメディアで、音声記録は政府の様々な会議での発言の録音をつなぎ合わせてねつ造したものだと主張、「録音の内容は、私と私のチームが大統領を尊敬していないという印象を人為的に作り上げている」と主張した。音声記録の声が自身のものかどうかには言及しなかった。
NBU高官や財務相らは音声記録についてコメントを拒否した。
ホンチャルク氏は辞意表明直後にロイターの取材に応じ、本当に辞任するつもりかとの質問に「結論を急ぐな」と答えた。大統領による信頼を試すために辞表を提出したのかとの質問には答えなかった。