中国当局による大量の流動性供給は、3日の同国株式・為替相場の下落を阻止するには不十分かもしれない。だが、新型コロナウイルスの感染拡大が引き起こした世界的な売り浴びせは緩和できる可能性があると、市場のアナリストらは分析している。

春節(旧正月)連休明けの取引再開を控え、中国人民銀行(中央銀行)など金融監督当局は2日、金融市場の下支えを目的とした措置を発表。人民銀は、3日に公開市場操作(オペ)で1兆2000億元(約18兆8000億円)を供給する。ブルームバーグの算出によれば、供給額は純ベースでは1500億元となる。

Axicorpのチーフ市場ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「これは一時しのぎといえる措置をはるかに上回る規模だ」とし、「この大量の資金供給でもリスクオフの動きを抑えられなければ、激しい売りが待ち受けることになる。また人民銀は為替市場に介入する可能性が高い。市場の懸念を緩和させるため十分な措置を重ねて講じるだろう」と述べた。

中国のオンショア市場で取引されたのは直近で1月23日。それ以降、オフショア人民元は対ドルで1%下落し、一時は今年初めて1ドル=7元を下回った。中国株先物はシンガポール市場で7.5%下落している。

ナットウェスト・マーケッツのシニアストラテジスト、マンスール・モヒウドディン氏は、中国当局の措置は「市場の衝撃を和らげる」効果があると分析。オンショア人民元の1ドル=7元割れを防ぐ措置を人民銀が講じれば、なお効果的だとの見方を示した。

原題:China’s $22 Billion Injection May Help Ease Global Market Rout(抜粋)