新型コロナウイルス

新型コロナウイルスについて中国の保健当局の専門家チームのトップを務める鍾南山氏らが論文を発表し、感染者の中には入院時に発熱がなく、エックス線を使った診察で異常がみられなかった人も少なくなかったとして、これらの要因が初期の診断を難しくしていると指摘しています。

この論文は先月28日にアメリカの医学雑誌のホームページ上に掲載されたもので、ことし1月29日までに新型コロナウイルスに感染した中国各地の患者1099人の臨床データを分析したということです。

この中で入院期間中に発熱した人は88.7%にのぼった一方、入院した時点で半数以上の患者には発熱の症状がみられなかったことを明らかにしています。

また重症ではない患者877人のうち17.9%にあたる157人がエックス線を使った診察などでも異常がみられなかったということで、こうした要因が初期の段階の診断を難しくしていると指摘しました。

また分析の対象となった人の入院期間の平均は12.8日だったということです。

論文では分析の対象になった患者の致死率は1.4%だったとしたうえで、感染者の早期の隔離や早い段階での診断と治療が致死率を引き下げる可能性があることを指摘しています。