【ドーハ時事】トランプ米政権とアフガニスタンの反政府勢力タリバンは29日、カタールの首都ドーハで、駐留米軍の段階的撤収などを定めた和平合意に調印した。タリバンはこれを受け、3月10日にアフガン政府との和平交渉を開始する。2001年のアフガン侵攻以降続く「米史上最長の戦争」は、終結に向けて大きく動き始めた。
アフガン戦争の終結を公約に掲げてきたトランプ大統領にとって、タリバンとの和平合意は再選に向けた追い風になる。ただ、アフガン政府とタリバンの交渉は「和平プロセスの最難関」(米専門家)とされ、長期化は必至。拙速な米軍撤収は治安悪化を招きかねない。
和平合意では、米国が135日以内に駐留米軍を現在の1万3000人規模から約8600人にまで縮小するのと引き換えに、タリバンがアフガン国土をテロ攻撃の拠点にしないことを約束。タリバンが合意事項を順守すれば、米軍と北大西洋条約機構(NATO)軍は14カ月以内にアフガンから完全撤収すると明記した。