[ワシントン 15日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は15日、政策金利をゼロ付近に引き下げ、債券買い入れを再開するとしたほか、危機時の対応手段の活用に踏み切った。新型コロナウイルスの感染拡大封じ込めに向けた取り組みにより、急速に悪化する世界経済を支援するため、世界の主要中銀と協調した。
FRBは声明で「新型コロナウイルスによる影響が短期的に経済活動を圧迫し、経済見通しにリスクをもたらすだろう」と指摘。「こうした状況を踏まえ、委員会は誘導目標の引き下げを決定した」と説明した。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を100ベーシスポイント(bp)引き下げ、0─0.25%としたほか、今後数週間にバランスシートを少なくとも7000億ドル拡大すると表明した。
また「委員会は経済がこのイベントを切り抜け、最大雇用と物価安定という目標の達成に向けた軌道上にあると確信が持てるまで、この目標水準を維持する見込みだ」とした。
FRBはこのほか、銀行に対し、金融危機以降に資本バッファーとして積み上げてきた数兆ドル規模のエクイティー・流動資産を活用して、新型ウイルスの影響で打撃を受けている企業や家計に融資するよう促した。
さらに、FRBとカナダ銀行、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)、日銀、スイス国民銀行は、米ドル・スワップ取極に適用される金利を25bp引き下げ、新しい金利を米ドル・オーバーナイト・インデックス・スワップ・レートに25bp上乗せしたものとすることに合意した。
これらの中銀は、金融危機を受けてスワップ協定を結んだ。
FRBは3月3日の緊急会合で、政策金利をすでに50bp引き下げていた。
FRBは今月17─18日に次回連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する予定だった。