中国政府は中国国内で開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験について、安全性などを確かめる第1段階を終えて、有効性などを確かめる第2段階に進んだことを明らかにしました。
中国科学技術省、社会発展科学技術局の呉遠彬局長は14日の記者会見で、国内で進めている新型コロナウイルスのワクチンの開発状況について説明しました。
このうち、軍事科学院軍事医学研究院の陳薇研究員のチームが開発を進めているワクチンは、新型コロナウイルスとは別のウイルスを遺伝子の運び役として使うもので、先月までに主に安全性などを確かめる第1段階の試験を終えて、主に有効性などを確かめる次の段階の試験を始めるためにワクチンを投与するボランティアの募集を今月から始めたということです。
呉局長は3段階ある臨床試験のうち2段階目に進むのは、新型コロナウイルスのワクチンの開発では世界で初めてだとしています。
このほか国有企業の子会社の「中国生物武漢生物製品研究所」と民間の製薬企業「北京科興中維生物技術」は感染する能力を失わせたウイルスやその一部を材料にする「不活化ワクチン」の開発を進めていて、いずれも今月、中国政府が臨床試験の実施を承認したということです。
呉局長によりますと、ほかにも複数のワクチンの開発が進行中で、来月にかけて臨床試験の申請が行われる見通しだということです。