新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査を受けた事実を隠して受診した患者がいたため、茨城県古河市の松永外科医院が、14日から外来診療を休止していることが分かった。患者は翌15日に陽性と判明。たらい回しを懸念したといい、同医院の松永弘之院長(59)は「医療崩壊につながりかねない。感染が疑われているのに、連絡なしに来るのはやめてほしい」と訴える。

 患者は埼玉県の初診の男性。松永院長によると、足首の痛みなどを訴え、14日夕、妻に付き添われて訪れた。他の疾患は「ない」と回答したが、医院を出た後、妻から「実は今日PCR検査を受けた。たらい回しになると思い黙っていた」と電話があった。

 院長は埼玉県内の保健所に確認し、外来診療を取りやめた。ほかの患者はいなかったが、院長は濃厚接触者とされた。感染している可能性があるとは思わず、不足するマスクを使えなかったという。特段の症状はないが、一部の患者に電話診療で対応している。