[ニューヨーク 29日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが下落。 米連邦準備理事会 (FRB)はこの日までの連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据 え置き、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で打撃を 受けた経済の下支えへあらゆる手段を用いると表明した。
FOMCは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0 .25%に据え置くことを全会一致で決定。新型コロナウイルス感染拡大は短期的には経済見通しに対する「大きな重し」となり、中期的には 「相当なリスク」になるとの認識を示し、景気支援に向けあらゆる手段 を行使する姿勢を改めて表明した。
主要通貨に対するドル指数は0.32%安の99.544。 前日には一時99.44まで下げた。
ステート・ストリート・グローバル・マーケッツのシニア世界マク ロストラテジスト、マービン・ロー氏は「FRBがせっかくの計画を壊 したくないのは明らか。現在の対応を続けると主張することに努めた形 だ」と述べた。
この日の指標では、第1・四半期の米実質国内総生産(GDP)速 報値(季節調整済み)が年率換算で前期比4.8%減と、2008年第 4・四半期以来の大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染拡 大防止に向けた一連のロックダウン(都市封鎖)措置によって、3月後 半の2週間に経済活動が急停止したことが影響した。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン )のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は、米GDPにドル相 場は大きく反応しなかったが、「V字回復の期待には冷や水を浴びせる ことになると思う。また、第2・四半期のGDPが40%のマイナス成 長になるという懸念が現実味を帯びると考えている」と述べた。
このほか、米製薬ギリアド・サイエンシズが新型コロナ感 染症治験薬「レムデシビル」の臨床試験で前向きなデータが得られたと 明らかにし、リスク心理が改善したこともドル下落の要因になった。
豪ドルは0.83%高の0.6544米ドル。一時は3月1 0日以来となる0.6551米ドルまで上げた。ユーロは0.51%高の1.0873ドル。欧州中央銀 行(ECB)は30日に理事会を開く。
ドル/円 NY終値 106.70/106.73 始値 106.48 高値 106.76 安値 106.46 ユーロ/ドル NY終値 1.0873/1.0877 始値 1.0849 高値 1.0885 安値 1.0840