- 早計な活動再開は回復に逆行へ、歴史的不況と大量破綻を警告
- ウーバーとグラブハブ、ノルウェーSWF、米国にデフレの兆し
「大統領に理解してもらえず、感染症対策は進まなかった」と苦労を打ち明けたのは米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長。昨年5月、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューです。ここで言う大統領は故レーガン大統領、感染症はエイズのことです。ファウチ氏はその後、ブッシュ(父)とクリントン、ブッシュ(子)、オバマの歴代大統領の下で感染症対策を率い、今はトランプ政権で自然科学の立場から新型コロナウイルスと闘っています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
時計の針を戻す
NIAIDのファウチ所長は、経済活動の時期尚早な再開は新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を再発させると警告した。米上院厚生教育労働年金委員会で、「それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起きる現実的なリスクがある」と証言。「避けられたはずの苦痛や死につながるだけでなく、経済回復に向けた道筋を逆行することにさえなりかねない」と警鐘を鳴らした。
歴史的なマイナス成長
米金融当局者らは4-6月(第2四半期)が歴史的なマイナス成長になると予想。大量の企業破綻が起きるリスクがあり、長期にわたり傷痕を残す恐れがあると警告した。セントルイス連銀のブラード総裁は4-6月の国内総生産(GDP)が約40%減少する可能性があると予想。ダラス連銀のカプラン総裁は、失業率が上昇し続けた場合、財政による追加の刺激策が必要になるとの認識を示した。
デリバリー需要
配車サービスを手掛ける米ウーバー・テクノロジーズは料理宅配サービスの米グラブハブに買収案を提示したと、事情を知る複数の関係者が明らかにした。早ければ月内に合意の可能性があるが、物別れに終わることもあり得る。米株式市場でグラブハブ株は一時、前日比39%高となった。
二重苦
ノルウェーは世界最大の政府系ファンドから、過去最大額の3820億クローナ(約4兆円)を引き出す計画だ。新型コロナと原油相場急落という二重の危機で、ノルウェーが第2次世界大戦後で最も深刻な景気低迷に陥っていることが浮き彫りになった。
デフレスパイラルの影
4月の米消費者物価指数(CPI)は変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が、前月比0.4%下げ、過去最大の低下となった。旅行関連と衣料品への支出が急減した。総合CPIは前月比0.8%低下し、08年12月に並ぶ大きな下げで物価が持続的に下落すればデフレ懸念が高まる。
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