• ウォルマート決算が好調、ホーム・デポは減益、アビガンの有効性
  • パウエルFRB議長の議会証言、米航空会社に持ち直しの兆し
Fujifilm Holdings' Avigan Influenza Drug As Company Said To Increase Production To Treat Ebola
Photographer: Akio Kon

前日に新型コロナウイルスのワクチン候補について前向きな見解を発表した米モデルナに対し、この日は医療業界サイトから懐疑的な見方が流れ、午後の米国株市場で売りにつながりました。新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)下で強みを発揮していた一部小売企業の決算でも明暗が分かれており、コロナを巡る状況はそれほど単純ではなさそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

20年ぶり

ウォルマートは新型コロナ関連の買いだめを追い風に、2-4月期に好業績を上げた。主要指標の「ウォルマート」店舗の米既存店売上高は前年同期比10%増。アナリスト予想平均を上回り、ほぼ20年ぶりの高い増収率を記録した。利益も予想を上回った。米国市民の支出の中心が必要不可欠ではない品目から生活必需品へと急速に移ったことを裏付ける。

従業員支援の費用

ホーム・デポの第1四半期(5月3日終了)決算では、新型コロナ感染拡大に伴う外出制限措置で住宅関連用品の需要が高まり、売上高が増加。一方、従業員への支援で税引き前ベースで8億5000万ドルの費用が発生し、希薄化後の利益が1株当たり60セント減少。売上高の増加をよそに、利益は2014年以来初めて市場予想を下回った。

有効性示せず

新型コロナ感染症(COVID19)治療薬としての承認が期待される「アビガン」の臨床研究で、明確な有効性が示されなかったと、共同通信が複数の関係者の話として伝えた。藤田医大を中心に多施設共同で実施された臨床研究に関し、今月中旬に厚生労働省に報告された中間解析結果で、ウイルスの減少率に明確な差が出なかったという。

月内に

パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、新型コロナによる打撃に米経済が持ちこたえられるよう、あらゆる措置を講じる用意があると表明した。9つの緊急融資プログラムを打ち出して社債や地方債などの市場支援を図っているが、なお運用開始に至っていない4つについては「全てのプログラムが今月末までに立ち上がり、準備が整うと見込んでいる」と発言した。

持ち直し

ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスとサウスウエスト航空が、旅客需要の小幅な増加を報告した。新型コロナのパンデミックで4月にかつてなく大きく沈んだ需要が、持ち直しつつあるようだ。サウスウエストは3月以降で初めて予約数がキャンセル数を上回っているほか、6月の予約は「小幅な改善」を示していると明らかにした。ユナイテッドは国内線と一部の国際線路線で「緩やかな」改善が見られると指摘した。

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