新型コロナウイルス

アメリカCDC=疾病対策センターは、全米で新型コロナウイルスの感染者が急増する前のことし1月下旬から2月上旬にかけて、すでに人から人への継続的な感染が起きていた可能性があるとする報告書を公表しました。

アメリカでは新型コロナウイルスの人から人への感染がことし2月下旬に初めて報告され、3月になってニューヨーク州などで感染が急激に拡大しました。

CDCは継続的な感染が始まった正確な時期を調べるために、アメリカで最初に感染者が確認された西部ワシントン州や、カリフォルニア州をはじめとする複数の州の医療データをさかのぼって、新型コロナウイルスに感染していた可能性のある人を調べました。

その結果、カリフォルニア州では1月31日に発熱などの症状が出て、2月の上旬に死亡した人など2人の遺体からウイルスが検出されたほか、ワシントン州では2月21日からの2週間の間に発熱などの症状で医療機関を受診した人のうち、1%前後でウイルスが検出されました。

ウイルスの遺伝子を詳しく調べたところ、1月15日に中国・武漢からアメリカに帰国した感染者と同じ系統だったということで、CDCは1月下旬から2月の上旬にかけてすでに人から人への継続的な感染が起きていた可能性があるとしています。

一方、同じ時期に発熱などで医療機関を受診した人の数に目立った増加はみられなかったということです。

CDCは感染拡大を抑えるために、新型コロナウイルスの感染者を発見するため、調査の態勢整備が必要だとしています。