• 極左を国内テロ組織にトランプ氏指定、ロシアがアビガン後発薬承認
  • OPECプラス前倒しか、アマゾン配達停止、中国年末にもワクチン

今週の米金融市場は米中の関係悪化への警戒より、新型コロナウイルスのために静止していた経済が動き出したことへの期待が勝るとの見方が出ています。ロックダウン(都市封鎖)による外出禁止は、次々と解除されています。しかし警察の暴力に抗議するデモに乗じた略奪や放火で、州兵が動員される事態に至り、ミネアポリスやロサンゼルスでは夜間外出禁止が発令されました。混乱が長引けばマーケットも無視できなくなるかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

悪役の名前

トランプ米大統領は「アンティファ」と呼ばれる極左運動を国内テロ組織に指定するとツイッターに投稿した。アンティファは反ファシストを意味する過激な抗議活動の総称で、極右組織に対抗し小規模で散発的に活動するが、中央で全体を指揮する組織はない。トランプ氏はツイートで、アンティファが率いるアナキストらを短時間で押さえつけたと、ミネアポリスに動員された州兵を称賛した。

後発で先手

ロシアは同国初の新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療薬として、富士フイルム富山化学が開発した抗インフルエンザウイルス薬アビガン」のジェネリック(後発医薬品)に暫定承認を与えた。同ジェネリック「アビファビル」の開発に関わった政府系ファンド(SWF)のロシア直接投資基金(RDIF)が声明で発表した。

スピード対応

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟主要産油国から成る「OPECプラス」は、6月9日-10日に予定している次回会合を今週に前倒しすることを近く決定する。関係者が明らかにした。アルジェリアのアルカブ・エネルギー相が6月4日開催を提案。最終決定は5月31日に出る見通しだという。前倒しされれば、会合の結果に応じて出荷計画を決める時間の余裕が生じる。現行の生産上限を変更する場合の柔軟性も高まる。

影響じわり

抗議デモに乗じた騒動は、アマゾン・ドット・コムの業務に支障を来している。シカゴやロサンゼルスといった少数の都市では、配達を停止して自宅や配送センターに戻るよう配達要員に指示が出た。同社では配達量の減少やルート変更といった対応を余儀なくされたという。新型コロナがプラスに働いた数少ない企業のアマゾンに、思わぬリスクが顕在化した格好。

早ければ年内

中国で開発中のCOVID19ワクチンの候補は、年末にも市場に投入される見通しとなった。中国国務院の国有資産監督管理委員会(国資委)によれば、臨床試験の第2相試験を完了しており、今年末あるいは来年初めに市場に投入される可能性がある。

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