米供給管理協会(ISM)が1日発表した5月の製造業総合景況指数は4カ月ぶりの上昇となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で活動に急ブレーキがかかっていた製造業が、低位で安定しつつある兆しを見せた。

キーポイント
・ISM製造業総合景況指数は43.1に上昇
 ・ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は43.8
 ・前月は11年ぶり低水準の41.5
 ・指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す
・雇用指数は32.1に小幅上昇-前月の数十年ぶり低水準から持ち直す
・新規受注指数は31.8に上昇-前月は1951年以来の大幅低下だった
Closely watched U.S. factory gauge improved slightly in May

インサイト

  • 一部の州の経済活動再開で生産活動がゆっくりと再起動したことを5月の指数は示唆したが、輸出市場の軟調や記録的な高失業率、限られた設備投資予算など、逆風も強い
  • ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長:
    • 「急落局面の終わりが視野に入ったか、終わりに達したのだと考える。6月への前向きな兆候だ」
    • 5月は移行期だった。6月には需要や生産、雇用がある程度持ち直すだろう
  • 5月は食品、紙製品、衣料品など6業種が活動の拡大を報告。11業種は活動縮小を報告した

詳細

  • 生産指数は33.2に上昇(前月27.5)
  • 在庫指数は50.4、1年ぶり高水準-在庫水準がやや高く、生産抑制要因となり得ることを示唆
  • 発注から納品までの時間を示す入荷遅延指数は昨年10月以来初の低下-生産ボトルネックや輸送の遅延がようやく解消されつつある兆し
  • 統計の詳細は表をご覧ください

原題:U.S. Manufacturing Stabilizing at Depressed Level, ISM Data Show(抜粋)