[ワシントン 3日 ロイター] – トランプ米政権は3日、中国航空会社による米国への旅客便乗り入れを16日から禁止すると発表した。新型コロナウイルス流行で運航を休止していた米航空会社の中国路線再開に向け、中国政府に圧力をかける。
米運輸省は、中国が両国の航空協定に違反したことへの対応と説明。中国は依然として米航空会社による旅客機運航再開を許可する日程を明確にしていないと批判した。
米国路線運航禁止の対象となるのは中国国際航空(601111.SS)、中国東方航空、中国南方航空(600029.SS)、海南航空(600221.SS)のほか、比較的小規模の四川航空と厦門航空で、中国のチャーター便も規制される見通し。
運輸省は先月、デルタ航空(DAL.N)とユナイテッド航空(UAL.O)が中国便運航の6月再開を要請したにもかかわらず、中国政府が阻止していると批判。中国の航空4社に運航スケジュールの提出を求めていた。
中国の航空会社は新型コロナが世界的に流行している間も米国便の運航を続け、現在は週4往復を運航している。
運輸省は声明で「われわれは中国政府が米航空会社に対し許可するのと同数の定期便を中国航空会社に認める」とした。
ワシントンの中国大使館はコメントの要請に応じていない。
デルタ航空は声明で米政府の措置に支持を表明。ユナイテッドは、規制環境が整った段階での運航再開に期待を示した。
中国の航空各社は現在、定期便についてはそれぞれ週1往復しか運航していないが、中国人留学生の帰国支援などのためかなりの数のチャーター便を運航してきた。
米運輸省は、中国の航空会社は米国行きを1社あたり週1便に制限した中国のルールを迂回するためチャーター便を利用し、「米中間の旅客サービスで米航空会社に対する優位性をさらに高めようとしている」と指摘した。
米政府は1月31日、過去14日間に中国に滞在した外国人の入国を禁止したが、中国の航空便については制限を設けなかった。米主要航空会社は2月、中国との旅客便の全面運休を自主的に決定。3月12日までに全便を休止した。