[ワシントン 4日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は、中国企業の「詐欺的な」会計慣行について米投資家に警告するとともに、そうした企業の上場規則を厳格化する米ナスダックの最近の決定をモデルにするよう世界の取引所に促す計画だ。記者会見で予定される長官の発言内容をロイターが確認した。 

長官の発言は、一部の中国企業の海外上場を制限したいトランプ政権の意向を反映するもので、貿易や新型コロナウイルス、香港を巡り緊張が高まっている両国関係の新たな火種となるとみられる。 

香港取引所(HKEX)(0388.HK)のチャールズ・リー最高経営責任者(CEO)は4日、中国が「香港国家安全法」の制定方針を決定したことで米国の政治的圧力が高まっているため、米国に上場している多くの中国企業が今年、香港取引所に上場する可能性が高いとの見方を示した。 

ポンペオ長官は4日に記者会見を行う予定だったが、会見は5日に変更された。 

金融市場運営会社の米ナスダック(NDAQ.O)は先月、会計の透明性に欠く中国企業の新規株式公開(IPO)を制限するため、上場基準を厳格化した。 

それ以前には、中国版スターバックス(SBUX.O)と称されるコーヒーチェーンの「ラッキンコーヒー」(LK.O)が、内部調査で、最高執行責任者(COO)らによって売上高が水増しされていたことが分かったと発表している。 

ナスダックは4日、コメントを控えた。 

米国務省のキース・クラッチ次官(経済成長・エネルギー・環境担当)は3日、ロイターに対し「実際の問題は透明性の欠如と米投資家への開示の欠如だ」と語った。 

また「いずれの国(の企業)も、特に米市場で取引を行っている場合、不当に有利な状況を得るため米投資家にうそをつくことを認められるべきではない」と指摘。政権内で中国企業の不透明な会計慣行への投資家の意識を高めようとする動きがあると述べた。