- 中国による構造改革や最近の米国産大豆購入に言及
- 米国には「産業政策」必要-WTO脱退は支持せず
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は4日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中でも中国は両国の第1段階貿易合意を履行しており、合意の進展について「非常に良い感触」を得ていると述べた。
ライトハイザー代表はニューヨークのエコノミック・クラブが主催したオンラインイベントで、「構造改革に関して中国はかなり良い仕事をしている」とし、「また、かなり前から多くの購入が見られている」と語った。
同代表は、今月1、2両日に中国が米国産大豆1億8500万ドル(約202億円)相当を購入したと述べ、中国は米国の一次産品購入の公約を履行していないとの報道を否定した。
ライトハイザー代表は、新型コロナ危機を受けて米国は特に医療分野でサプライチェーンの国内回帰を目指しているため、中国やインドなどとの貿易関係は変わるだろうと指摘。医療機器や防護具など、必要とされる物品の国内生産能力を確保するため、補助金であれ関税であれ「産業政策を持つ必要がある」との認識を示した。また米国の世界貿易機関(WTO)脱退については自分は賛成しないとも述べた。
4月の米貿易統計で財とサービスを合わせた輸出入の総額がほぼ10年ぶりの低水準に落ち込んだことに関しては、「1つ約束できることがある。貿易は回復する」と語り、引き続き楽観的であることを明らかにした。
原題:Lighthizer Says He Feels ‘Very Good’ About Phase One China Deal(抜粋)