ロックダウン(都市封鎖)やその他の公衆衛生対策により、中国や米国を含む6カ国で5億人ほどが新型コロナウイルス感染を免れた可能性があることが、研究で示された。
保健政策の効果に関する初の査読済み分析結果が、ネイチャー誌(オンライン版)に8日掲載された。それによると、ロックダウンや社会的距離の確保、移動その他に関する制限措置がとられなければ、感染状況は現状よりもはるかに悪化していたことが示唆された。
新型コロナ感染者の多くは比較的軽症だとし、感染を免れた推計約5億人についても、その大半は検知されないままであっただろうとも指摘している。
新型コロナウイルス感染症(COVID19)に感染したと報告された人の数は世界で700万人超、死者数は40万人を超えた。
カリフォルニア大学バークレー校の主執筆者ソロモン・シアン氏は「政策を展開する上でのわずかな遅れ」が、国ごとの感染結果の「劇的な違いを生み出した公算が大きい」と分析した。
調査対象となったのは中国と韓国、イタリア、イラン、フランス、米国の6カ国。
対策のうち最も明確な効果があったのは、自宅にこもることと事業活動の閉鎖、ロックダウンだったという。移動制限や集会の禁止はイタリアとイランで有効だったが、米国では効果がそれほどはっきりしなかったとしている。
原題:Lockdowns May Have Helped Prevent Half a Billion Covid Cases (1)(抜粋)