[15日 ロイター] – 米商務省は15日、米国企業が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と取引することを禁止した規則を変更し、第5世代移動通信システム(5G)などの基準作りで同社と米国企業の協力を認めると発表した。
ロイターはこれより先、商務省など関係政府機関は規則変更を承認済みで、官報への掲載待ちだと報道。ロス商務長官はロイターに対する声明で報道内容を確認していた。
ロス長官は声明で「米国が技術革新において世界的リーダーの地位を譲るつもりはない。商務省は米国の国家安全保障や外交政策で国益を守りつつ、米国の技術が国際標準となるよう国内産業が全面的に関与することを推進していく」と述べた。
商務省はその後の正式発表で、基準作りへの米国企業の参加は「5Gや自動運転、人工知能など最先端技術の将来に影響を及ぼす」と指摘した。
商務省は昨年、政府の許可なく米国企業から製品や技術を調達することを禁止する「エンティティーリスト」にファーウェイを追加した。
業界関係者や政府当局者は今回の規則変更について、米政府がファーウェイに対する態度を軟化させたと受け止めるべきではないとの見方を示した。ファーウェイがエンティティーリストに加えられたことにより、企業間の基準作りで米国は不利な立場に置かれたという。
どのような技術や情報をファーウェイと共有できるか不確かとなったため、一部の米国企業のエンジニアは基準作りへの参加を控えるようになり、ファーウェイの発言力が強まっていた。
関係筋によると、今回の規則変更は米企業や議員のこうした懸念の声を受けて実施されたという。
ワシントンの弁護士で元商務次官補のケビン・ウルフ氏は、規則の変更に伴い「米企業はファーフェイを巡る政府の方針に抵触することなく、国際基準を巡るリーダーシップを維持する上で大きな助けを得るだろう」とした。