新型コロナウイルス

WHO=世界保健機関は、炎症を抑える作用のある既存の薬が新型コロナウイルスの重症患者に効果があったとする、イギリスの研究チームの発表を歓迎し、今後、治療に関する手引書にも盛り込んでいく考えを明らかにしました。

イギリスのオックスフォード大学の研究チームは16日、炎症を抑える作用のあるステロイドの1つ、「デキサメタゾン」という薬を複数の重症患者に投与した結果、死亡率が下がったとする研究結果を発表しました。

これについてWHOのテドロス事務局長は17日の定例の記者会見で「重症患者にとって非常に歓迎すべきニュースだ。この薬を使った治療について理解を深めるため、さまざまな臨床試験のデータの分析を始めた」と述べ、今後、新型コロナウイルスの治療に関する手引書にも盛り込んでいく考えを明らかにしました。

このほか、アメリカで使用許可が取り消されたマラリアなどの治療薬「ヒドロキシクロロキン」について、WHOの研究開発チームのトップ、ヘナオレストレポ氏は「さまざまな研究結果は、新型コロナウイルスの治療に使用しても亡くなる人の減少にはつながらないことを示唆している」と述べ、WHOが行ってきた臨床試験を中止することを明らかにしました。