[ジュネーブ 19日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は19日、新型コロナウイルス感染者が米州を中心に増加しており、前日の増加数は約15万人と1日当たりで過去最多を記録したとし、感染拡大が加速していると警告した。
テドロス事務局長はオンライン会見で「世界は新たに危険な段階に突入している」と指摘。「ウイルスはなお急速に広がっており、多くの人が感染しやすく、命に関わる状態が続いている」と述べた。
1326GMT(日本時間午後10時26分)時点のロイターの集計では、新型コロナ感染者は世界で853万人超。死者は45万3834人となっている。
テドロス事務局長はソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)と「極度の警戒心」を維持するよう呼び掛けた上で、米州だけではなく南アジアや中東でも急速な感染拡大が見られるとした。
WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン氏は、ブラジルで確認された新型コロナ感染症による死者が過去24時間で1230人増加したほか、ブラジルでの感染者の約12%は医療従事者が占めていると述べた。
ブラジルの感染者数は97万8142人と、米国に次いで世界で2番目に多い。死者は4万7748人に上っている。
ライアン氏は、感染第2波の懸念があるにもかかわらず、多くの国が抑制措置を緩和していることを受け、「ロックダウン(都市封鎖)措置の解除はデータに基づき、慎重かつ段階的に行われなければならない」と語った。
新型コロナ感染症の治療法やワクチンに関しては「開発は不可能ではないが、非常に困難な道のりになる」(テドロス氏)とした。